わたしは、わたし。
私は一人で教室に戻り自分の席に座る。
周りを見渡すと夏休みの計画を立てている人達ばかりだ。
そんな騒がしい中、鞄から小説を取り出し黙々と読み始める私。

そんな私に誰も見向きもしない。
『望月莉々子』の妹でも、ただの『望月凛子』にすぎない。

地味で何の取り柄もない私。
見た目なんて最悪。
あの、莉々子の妹なんてやっていていいのか?とさえ思う程に醜いのだ。

分厚い眼鏡に膝下五センチのスカート、髪は三つ編みと優等生まっしぐらな、そんな格好。

こんな、私と誰も友達になんてなりたいと思うはずがない。
もし、そんな人がいたら変わり者か物好きだろう。
それか、莉々子の妹と友達になりたいだけ。

だから、一人がいい。
空気的存在でいいんだ。

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