旦那様は芸能人~そして、初恋の人~【完】
「恵央斗?」



「不動が…」



…“不動”?



「記者が、どうしたの?」



「秋月さん、刺したって…」



「え……?」



携帯を投げ飛ばした恵央斗は、寝室にコートを取りに行き、私の分も持って来た。



「まともに運転する自信がない」



「うんっ」



キーと財布だけを持ち、寝間着代わりのジャージの上にコートを羽織り、家を飛び出す。

私も震える心は同じ。

ハンドルから手が滑り落ちそう。
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