闇
第1章
1
「今から永田町まで車出してくれ」
「分かりました」
運転手の俺もずっと仕えている人間の言うことを聞かないわけにはいかない。
黒塗りの車の後部ドアが閉められ、アクセルを踏み込み発進させる。
後部座席に座っているのは、新民党(しんみんとう)幹事長の岩原一雄(いちお)だった。
これから永田町にある憲政記念館で岩原は演説するのだ。
次期衆院選で党公認候補が多数当選するのを願って。
俺も長年ずっとこの男に仕えてきた。
政治家としてクリーンな方じゃない。
むしろ闇の中でいろんなことをして回る男として認識していた。
今、演説のために使う原稿を整理し続けている。
ノートパソコンを使いながら、老眼鏡を掛けて、じっと読み続けているようだった。
「今から永田町まで車出してくれ」
「分かりました」
運転手の俺もずっと仕えている人間の言うことを聞かないわけにはいかない。
黒塗りの車の後部ドアが閉められ、アクセルを踏み込み発進させる。
後部座席に座っているのは、新民党(しんみんとう)幹事長の岩原一雄(いちお)だった。
これから永田町にある憲政記念館で岩原は演説するのだ。
次期衆院選で党公認候補が多数当選するのを願って。
俺も長年ずっとこの男に仕えてきた。
政治家としてクリーンな方じゃない。
むしろ闇の中でいろんなことをして回る男として認識していた。
今、演説のために使う原稿を整理し続けている。
ノートパソコンを使いながら、老眼鏡を掛けて、じっと読み続けているようだった。