いくら単なる愛人疑惑とはいえ、週刊誌がスクープしているのだから、仕方ない。


 揉み消すのに必死になるものと思われた。


 それに俺も光岡がこの手の疑惑を使い、岩原から金を搾り出す可能性が高いと踏んでいる。


 こういったことは常にあるのだ。


 与野党問わず。


 たまたま岩原の方にそれが集中しているというだけで。


 俺もまた主が変なことを考え付かなければいいが、と思っているのだった。


 週刊誌を発行した出版社相手に訴訟を起こしたりすることなど。


 せっかく新党が出来たのに、そういったことをすればブレーキが掛かるのは目に見えていた。


 そして車が屋島の前に着く。


「着きましたよ」


「おう、すまん。居眠りしてた」
< 100 / 328 >

この作品をシェア

pagetop