「すまんな、堀原。今から自宅まで送ってくれ」


 と言った。


「分かりました」


 頷き、車を出す。


 だいぶ酒が入っているようで、アルコール臭がしていた。


 おそらくどんちゃん騒ぎしたのだろう。


 飲めや歌えの大騒ぎで。


 政治家には金銭感覚が全くない。


 俺もそう思っていた。


 実際、住んでいる家や着る洋服、それに食べ物など全然庶民の感覚とは違うからだ。 


 それが今度の新党で国民の生活を守ることなどを公約に掲げるという。


 バカバカしくて仕方なかった。


 だが政治家などいったん政権を取ってしまいさえすれば、後は何とでも言うのである。
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