というよりも、そのパーティー会場で何を話すかは関係者しか知らないのだ。


 だが薄々見当は付く。


 おそらく有権者に対し、体のいいことを言うのだろう。


 そして永田町から一般道を通り、新宿へと向かう。


 首都を横断するのだった。


 その夜、パーティー会場で岩原がスピーチをしたことを聞いたのは後日だ。


 九月の初め頃だった。


 俺も気には掛けている。


 自分の主がとんでもないことに手を染めているんじゃないかということを、だ。


 元々金には汚かったのだし……。
< 12 / 328 >

この作品をシェア

pagetop