それだけ重量級なのだった。


 確かに政治家一家の血を受け継いでいる。


 それは紛れもない事実だった。


 すぐに車を出し、いつも寝に帰る自宅マンションへと向かう。


 公用車なのだが、常に自宅の駐車場に停めている。


 一々許可など必要なかった。


 もちろんお抱え運転手とは言っても、政治家の手助けをする以上、官公労の職員であることに変わりはない。


 車は厳重にロックが掛けられ、盗まれることはなかった。


 この黒っぽい公用車に乗り始めて、もう長い。


 馴染んでいた。


 そしてその夜、午後九時半から岩原が地元事務所で会見する様子がテレビで中継される。


 俺もずっと見続けていた。
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