「ありがとうございます」


 一言礼を言うと、岩原は車を出、屋島へと歩き出す。


 俺も岩原が店内に入ったのを見て、車を出てから、すぐ近くにある幾分高めの弁当屋で幕の内弁当を一つと温かいお茶をペットボトル一本買った。


 そして車に戻り、包みを開いて食べ始める。


 これぐらい贅沢の内には入らない。


 この弁当は一つが二千円程度だったが、銀座では相場だろう。


 俺もここがとんでもない場所だと知っていた。


 ネオンが灯り、街並みは派手だ。


 食事を取りながら、街の夜景を眺め続ける。


 そして食事を取り終わってからシートを倒し、ゆっくりと休む。


 さすがに疲労は溜まる。

 
 だが、これが俺の仕事だ。
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