第25章
     25
 二日後の朝、自宅でコーヒーを飲みながら、ニュースを見ていた。


 暇をもらっていたので、朝からゆっくりする。


 国会内の岩原事務所は臨戦態勢で、常に動いているようだった。


 俺もこのタイミングで、愛人疑惑がスクープされたのはとんでもないと思っている。


 まあ、雑誌屋がスキャンダルを並べ立てて、選挙妨害するのは昔も今も変わりないのだが……。


 光岡は岩原から金を巻き上げるつもりでいるようだ。


 おそらくデータの詰まったデジカメを元手に。
 

 だが、俺も岩原が選挙で落選するかもしれないと思って、冷ややかに見ていた。


 岩手はあの男の牙城だったが、そこで新党の党首が落選するとなると、面白い。


 確かに相当な財力で票を掻き集めることも可能かもしれないのだが……。


 公職選挙法違反スレスレのことなら、政治家は何でもするのである。


 俺もそう思っていた。
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