安定政権が出来れば、法案は通る。


 ついに日本も二大政党が連立を組む時代となったのだ。


 政治は新たな局面を迎えている。


 俺もそう認識していた。


 三年とちょっと続いた新民党政権は、政治を可視化できたことに意義があったのだ。


 だが、それだけの役割しかなかったというのも事実だ。


 実質、日本の景気がよくなるとか、国民の生活がよくなるなど、功と呼ばれるものはほとんどなかったのである。


 俺もあの三年前の選挙のマニフェストがほとんど達成されなかったことは分かっていた。


 単に各種仕分けなどが行われ、政治の裏にあることが垣間見えただけで後は何もない。


 国民の審判はきついだろうと思う。


 ただ、マニフェストを達成できなかった新民党政権よりもっと悪いのが岩原の新党である。


 なぜ社自党から藤井派を引っ張ってきて、強引に政策をすり合わせ、組んだのだろう…
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