闇
第２８章
　　　　　２８
　十二月に入り、選挙も告示前になると、各党ともヒートアップし始める。


　ここ数日間でいろんな新党が合併や合流などを繰り返し、第三極を狙う作戦に出ていた。


　岩原が政策の合う某都道府県の県知事と連合し、自らの新党を合流させて、また新たに人数を増やす手筈であるのは分かっていたのである。


　裏で何かがあると思っていた。


　俺や他の有権者が窺い知れないところで。


　政党が乱立したまま、選挙戦が始まろうとしている。


　俺もずっと暇をもらっていたので、しばらくは自宅で様子見だった。


　外は寒い。


　極度に冷え込んでいる。


　こんな中で選挙戦に出る候補者は大変だろう。


　だが、俺も心の奥底では主が苦戦を強いられているのが心配なのは事実だった。


　もがき苦しんでいるだろう。
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