て実行できるのかということもある。


 連日、食事に出かけたり、カフェに行ったりする以外は自宅マンションにこもっていた。


 慌てることはない。


 ちゃんと投票に行き、新民党の候補に一票投じてくるつもりだ。


 心の中では岩原を想う気持ちもある。


 一応自分の主なのだし、金に汚いにしても、政治家は政治家だからだ。


 パソコンやスマホなどで選挙に関しての情報を閲覧するたびに、社自党に追い風が吹いているという見方が強い。


 川浪はあまりにもバカ正直すぎた。


 来年の任期満了まで解散せずに、衆参同日選に持っていけば、勝ち目はあっただろう。


 考えてみれば、数の少ない野党が解散権を握る国会など前代未聞だ。


 こういった状態に持っていってしまった岩原が、実際のところ一番悪い。


 主の仕掛けた悪巧みが、新民党のマニフェストを全くの不毛にしてしまったことは、否めなかった。
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