あの知事を担ぎ出して、裏でこそこそやる方が、よほど手ひどい談合だろう。


 全く信用ならない。


 選挙後の事も二大政党の大連立などが視野に入っていたのだし、俺もその方がいいと思っていた。


 国会で超安定多数の数があれば、出している法案は確実に通る。


 そういった政権運営の方が返っていい。


 審議を尽くした後、数で通せばいいからである。


 反対派を切り捨てるぐらいじゃないと、政治はやれない。


 少なくとも政党政治と呼ばれるものは成立しないのだ。


 俺もそう思っていた。


 元々三年前の政権交代の選挙の際に出した新民党のマニフェストをぶち壊しにしたのは、当時幹事長だった岩原である。


 あのとき、岩原の疑惑さえなければ、あのマニフェストは速やかに実行されていた。


 国に金がないのじゃなくて、国会議員や官僚などが横暴なことをするから、国庫が空に
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