空中分解ということにもなりかねない。


 元々岩原が金や愛人などの疑惑を抱え、挙句新民党を離党したことから、全ての目算が狂った。


 俺もそう思っている。


 あのまま与党の幹事長でいれば、総理である川浪もやりやすかっただろう。


 政権運営をする際、内閣だけでなく、党務の方も大事だからだ。


 岩原が離党したことで、更に追加して離党者が増えた。


 皆、新党や新しい会派などを作って、選挙戦に臨んだのである。


 それが返って社自党を利する形となった。


 だが社自党が政権を奪い返したとしても、所詮成果などは知れている。


 俺もそう感じているのだった。


 もう一度社自党にやらせてみたらどうかと。


 また滅茶苦茶なことをし始めるのは目に見えていた。
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