第36章
     36
 週半ばの首相指名選挙で福原が衆議院において、一回目の投票で内閣総理大臣に指名された。


 参議院では野党の方が議員数が多いので、一回目の投票では福原は過半数を獲得できず、決選投票で総理に選出された。


 福原はその日の夜、組閣を済ませ、新内閣が誕生したのである。


 日本においてまた社自党中心の政権が出来上がった。


 まあ、俺も幾分冷ややかな気持ちで見ていたのだが……。


 どうせ福原が総理をやっても長く政権が持つことはないと思っていたのだし……。


 それに新民党がまた息を吹き返してくることは目に見えていた。


 二大政党制が定着した今の日本では、どっちの党がやっても同じなのである。


 ただ、少数新党などはどこかと会派を組んだりして、政党要件を満たすしかない。


 国会において五人以上の所属議員がいないと、政党と見られないのである。


 俺も今回の政権交代の選挙で、多数の小政党がほぼ全滅に近いほど、数を減らしたのを知っていた。
< 227 / 328 >

この作品をシェア

pagetop