「先生は社自党に復党なさるのですか?」


「ああ、そのつもりだ。新党など作っても仕方なかった。結局それがここ数ヶ月で俺なりに出した結論なんだ」


「そうですか……」


 藤井は落選した同志の事など何も考えてないらしい。


 俺もこの男のご都合主義には呆れ返っている。


 半分は人をバカにしていると思った。


 こういった人間に政治家としての責任があるだろうか……?


 理解に苦しむ。


 所詮、数を集めたところで意味はなかったのだ。


 気の毒なのは、岩原や藤井に素直に付いてきて、新党から立候補し落選した人間たちである。


 皆必死で戦っただろうが、社自党の大きな風の前ではともし火だった。


 俺も藤井がこれからどういった政治家を目指すのかが分かってきている。
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