第7章
     7
 近くのランチ店に入り、窓際の席に座った。


 九月半ばの東京も残暑が厳しく、蒸し暑い。


 履いていた靴下が蒸れるような感じがする。


 日替わりを一つ頼み、飲み物はホットコーヒーにした。


 普段からずっとコーヒーはホットなのだ。


 仕事はきつかったのだが、これが政治家のお抱え運転手の日常である。


 四六時中、岩原を後部座席に乗せ、あちこちを走り回っていた。


 岩原が藤井と結託し、新党を作ることは目に見えている。


 後は何人が賛同するか、だ。


 俺も正直なところ、違和感があった。


 岩原の場合、数集めのためなら何でもするだろう。


 国会議員などでも派閥やグループの主宰者なら、そういったことをするのは当たり前だ。
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