政治家は何でもありのようなところがある。


 俺も気にしていた。


 下手に裏工作すると、他の人間たちから反感を買う。


 届けられた食事を取りながら、しばらくスマホの画面を見つめる。


 午後からも岩原を関係先へと送る必要があった。


 今日の勤務が終わるのはおそらく午後九時頃だと思う。


 岩原も毎日俺をこき使うのだが、別にいいのだった。


 大抵、この仕事には慣れてしまっている。


 食事を取り終え、スマホに付いている時計を見ると、午後零時四十五分だった。


 飲み残していたコーヒーを飲み干して立ち上がり、ゆっくりと歩き出す。


 時間に余裕があった。


 俺も岩原が鶴岡と会食して、その席上でどんな話が出たのか、気になっている。


 歩きながら、ずっと考えていた。
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