第10章
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 社自党代表選で党政調会長だった福原康則(やすのり)が、新代表に選出された。


 福原は次期衆院選で政権を交代させると宣言している。


 まさに倒閣の意気込みが、満々なのだった。


 俺もずっと車に付いているラジオで政治情勢に関してのニュースを聞き続ける。


 確かに新民党も社自党も危ないと思っていた。


 現総理の川浪は増税法案を社自党と組んで通している。


 それに裏では岩原が両党の離党予備軍を手名付けていた。


 新党に引っ張り込むために、だ。


 だが、そう簡単に新党が二大政党の不満分子の受け皿となるだろうか……?


 およそ考え辛いことだった。


 それに岩原には二億の事務所経費問題に加えて、愛人疑惑が出てきている。


 何でも相手は都内在住で広告代理店勤務の三十代女性らしい。
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