自分に降りかかってきた金銭問題や女性問題には目を瞑るような真似をしておいて、新党結成に動くということが、だ。


 誰がどう考えてもおかしい。


 だが、そのおかしさがまかり通るのが永田町なのである。


 戦時下で日本を独裁支配していた大政翼賛会が戦後解党し、アメリカなどの連合国の支配下でいろんな政党が出てきた。


 新民党も社自党も代表を変えながら、ずっと続いてきたのだ。


 選挙でも五分五分といった感じだった。


 もちろん合間に新党が出てくることもあったのだが、基本的に二大政党が議論を戦わすことで日本の政党政治が続いている。


 俺もそういったことは知っていた。


 現憲法下で、司法・立法・行政の三つの理念が作られ、政治は立法府である国会が司っている。


 その立法府にいる人間でも一番腹黒いのが、岩原だった。


 陰で裏工作などももちろんするのだし、金に汚い。
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