その日の昼、屋島で藤井と会食した岩原は食事後、俺に命じて再び永田町へと向かわせた。


 事務所内で秘書たちに命じるようである。

 
 マスコミに対する対応を、ああしろとかこうしろとか。


 俺も感じていた。


 政界における裏工作でこの男の右に出る者はいないなと。


 そして九月も過ぎ去り、十月に突入した。


 景気悪化で冷え込む日本経済の実態を国会議員は何も知らない。


 自分たちだけが儲かっているからだ。


 金銭感覚などまるでなくて。
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