闇

第１３章

　　　　　１３
　ずっと車内で待ち続けた。


　昼間は若干汗が出てくるような天候が続いている。


　俺もカーラジオで国会中継を聞いていた。


　臨時国会で衆参の予算委員会を始め、各委員会が開かれていて、中継されている。


　ずっと聞き続けていた。


　だが国会がこんなに低調だとは思えないぐらい、与野党双方の攻防は実に味気ない。


　俺も岩原が自分の事務所内にいることを把握していたので、おそらく中川たち秘書と話をしているだろうと思っている。


　密談だ。


　政治の世界ではよくあることである。


　議員や首長などが部下たちを集め、密室空間でいろいろと話をするのだ。


　俺もそういったことは知っていた。


　別にこういったことに珍しさは感じない。