岩原が蔵橋たち秘書に全ての罪を着せたとしたら、それこそ大問題となる。


 新党結成どころじゃない。


 それに岩原の作る新党は第三局を目指しているにしても、新民・社自の二大政党に挟まれるのは間違いなかった。


 少数政党の運命というのは過酷だ。


 数が少ないから、どうしても大きな政党とくっつかざるを得ない。


 それにこの金銭問題と愛人問題が晴れない限り、岩原が藤井と作る新党は行詰まる。


 いくら景気のいいマニフェストを作っても、現実問題持たないからだ。


 日本の政党政治の実情というのは、そうなのである。


 確かに岩原は食事を豪勢に取っているにしても、最近だいぶ痩せた。


 側近議員たちも漏らしているという。


「先生もだいぶ弱られたな」と。


 確かに言われてみればそうだった。
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