あなたは私を愛してる。
初めに到着したのは小洒落た喫茶店。
中に入ると凄くいい匂いがした。
腹ペコのあたしにとってまさに天国。
「…わかりやすい奴だな」
あたしを小馬鹿にするような顔をするとさっさと奥の席に行ってしまった。
「うっさい!」
反抗しながらも、そんなに顔に出ていたのかと思うと恥ずかしくなった。
あたし達が座ったのは窓際の席。
座るとき彼がどかっと座るから、
「これっ、行儀悪いよっ」
って言ったら
「お前は俺の母さんか」
って言われた。
さて、この喫茶店、デザートは少ないけど、ランチのメニューはよりどりみどり。こんなにあると、優柔不断なあたしは決めるのに時間がかかってしまう。
彼は何も言わずに待っててくれたけど、ちょっとむすっとしてた。
そして、悩みに悩んだ挙げ句、あたしが注文したのはハンバーグドリア。
見るだけで涎が出てきそう。
彼はなんか緑色のパスタ。
…あたしの好みじゃない。
「んーっ!おいひーっ」
無意識に手をばたつかせるあたしをみて彼は微笑む。
「お前本当にガキだな。」
またあたしを馬鹿にする。
さすがのあたしも何回も馬鹿にされるとムカつく。
「本当のこと言っただけじゃん」
そうやってむくれてやった。
「俺はそんなとこが可愛くて好きなんだけどな」
「……。」
きっと今、あたしの顔は赤い。