そばにいたい。




悠莉が退院しても玲菜の熱は下がらない。


時々目を開けることがあっても、疲れてしまうのかすぐに眠ってしまう。


だけどその時はいつも''龍''って名前を呼んでくれる。


それがなによりもうれしい。


だけど、何も出来ない自分が悔しいんだ。




「ん…」

「玲菜?」

「りゅ、う…」

「どうした?」


苦しそうな玲菜をたすけたい一心で握っていた手をギュッと握る。


「ごめ、ね…」

「玲菜…」
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