そばにいたい。




「まだかえらねーから」

「よかっ…コホッコホッ」


一度安心したように笑った玲菜。


だけどすぐに咳をしはじめた。


「大丈夫か?」


前に咳が出るときは寝ていると苦しいと言っていたのを思い出して、体を起こしてやる。



「コホコホッ、ゴホッ…だい、じょーぶ」


「寝るか?」

咳がおさまった玲菜をみて聞いてみるが、小さく首を横にふり、このままがいいと俺にすりよってくる。



あまり会話はなかったが、この時間がとても心地よかった。


ふと玲菜を見てみると静かに寝息をたてていた。


座ったまま寝ているのはあれだろうと、寝かせて俺は帰ろうと思っていると、それを阻止するかのようにシャツを握った手。



「玲菜…」


やっと寝れたのだからと玲菜が手を離すまで一緒にいようと、玲菜のとなりに横になる。
< 132 / 232 >

この作品をシェア

pagetop