そばにいたい。






俺には父親と母親、んで、ひとりの兄、がいた。



父親と母親は忙しくて、あまり家にいない。


さみしいのを我慢して、いつも兄貴と留守番してた。


だけど、ちゃんと帰ってくるし、ご飯も作ってくれる。

話も聞いてくれるし、頑張ったねって褒めてもくれた。



それが嬉しかった。

それで良かったんだ。


それが一番幸せだった。



ーーーーーー拓真8歳




ーーーザー…


「雨だー!」



起きてすぐ、窓の外を見ると雨が降っている。




とたとたと階段を降り、リビングのドアをあけると、そこにはやっぱりにーちゃんがたっていた。



「…にーちゃん」
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