そばにいたい。
「玄関先じゃなんだし、さ、上がりましょ♪」
相変わらずのハイテンションさでかーちゃんが提案する。
とーちゃんも同意し、みんながリビングに入る。
「あ、拓真はあっちよ」
いつものようにとーちゃんたちの間に座ろうと動くと、かーちゃんに否定され、にーちゃんのとなりに促された。
「なん…」「玲菜、おいで」
なんで?と聞こうとした俺の声に被せてとーちゃんが''そいつ''をいつもの俺の定位置に座らせる。
「拓真、早く座りなさい」
その光景をぼーっと見ていた俺にとーちゃんの厳しい声が聞こえた。
しぶしぶというようににーちゃんの隣に座る。
別に、にーちゃんが嫌なわけじゃない。
ただ、いつものように、いつものように話を聞いて欲しかった。