そばにいたい。
お昼ご飯ができ、梨香子が拓真を呼びに行く。
「拓真、ご飯できたわよー!」
ーーーートントン…
しばらくして階段を降りてくる音が聞こえ、リビングの扉がガチャっとあいた。
いつものように座ると前に玲菜が座っている。
「食べようか」
「そうね、食べましょうか」
「「「「いただきます」」」」
4人が声を揃えて挨拶をするも、玲菜は無言のままだった。
そしてそのまま全員が食べ始める。
拓真は何様なんだとおもった。
人の家庭に入り込んでおいて、ご飯を出してもらっているのに、いただきますの挨拶もなくご飯を食べ始めるなんて、拓真には考えられなかった。
拓真の中に玲菜への嫌悪が募る。
「玲菜、もう食べれない?」
玲菜の食べるスピードは人よりも遅いのにもかかわらず、1/3を食べ終えた頃から明らかにペースが落ちていた。
玲菜は首を横に振り、一生懸命に食べ始める。
「無理しなくてもいいのよ?」
また首を横にふる。