そばにいたい。
階段を上がり切り、教室のドアをスライドさせる。
その瞬間ーーーーパシャンッ
「ーっ」
一瞬なにが起きたのか分からなかった玲菜は目の前のバケツをもった子をぼーっと見つめた。
「っ、ごめんなさいっ」
あぁ、この子は少しむしられ気味だった子だな。
そんなことを思い、走りさったその子の後ろ姿を目でおった。
「キャハハッ…大丈夫ー?」
突然響いた笑い声とわざとらしい声。
周りのクスクス笑いも広がってく。
ーーーーーーコイツが主犯か。
瞬時にそう思った。
ニコッ
こんなときでも笑顔を浮かべる玲菜に顔をひきつらせる主犯ーーー百華。
とりあえず席に座る玲菜。
担任が入ってきて、濡れた玲菜をちらりと見て、何もなかったかのように朝の会を始めた。