そばにいたい。
ざわざわと教室内が騒がしくなる中、櫻井(音楽の先生)は少しでも楽になるようにと背中をさすり続けた
「櫻井先生!」
櫻井は慌てた様子で入ってきた速水(保健室の先生)に少し安心してほっと息をつく。
「保健室で休ませます。担任にいって、お母さんに連絡してもらってください。」
「わかりました。おねがいします」
苦しそうな玲菜を抱き上げた速水は教室を出て足早に保健室にむかう。
「ごめ、ハァ、ハァっな…ごめっハァ、…」
過呼吸をおこし、パニックになっている玲菜をソファーに座らせ、口元に紙袋をあてて背中をさすってやる
「大丈夫よ、深呼吸しよっか」
「ハァ、ハァ…スゥ、ハァ、っハァ、ハァ」
「そうそう、上手よ」
「はぁ、はぁ…ごめん、な、さい」
過呼吸がおさまったころ、玲菜はぼそりと呟いた
「大丈夫よ。…着替えましょうか」
まだ濡れていた制服をぬぎ、予備の制服をかしてもらった玲菜
「…ぶかぶかね」
保健室にあった制服は小さな玲菜には少しおおきかった。