そばにいたい。




自分の名前が呼ばれたことに反応して、顔を上げると、そこには無表情の悠真がたっていた。



いつの間にか、2時間目は終わって、大休憩の時間になっていた。




「母さんこれないから、放課後、俺と一緒に帰ろう」



淡々と告げる悠真に玲菜は戸惑った。




困ったようにニコッと笑い、首を横に振る。




悠真は話さない玲菜をみて、警戒されてるのか、と思ったが、こっちに来て2週間じゃしょうがないのかと考え直した。




「…放課後、ここにくるから」



有無を言わせない物言いに、断った方が迷惑になるとおもった玲菜は大人しく頷いた。




それを確認した悠真はすぐに走っていった。






玲菜は、悠真くん、保健室にも入ってこなかったな、と心持ちさみしそうに悠真の出ていったドアをみつめた。
< 172 / 232 >

この作品をシェア

pagetop