そばにいたい。



階段の下から聞きなれた声が聞こえて、上の階を見つめていた悠真は目線をおろした。


「…、拓真」


声を発した人物―拓真―は悠真と目が合うとニカッと笑って、一緒に帰ろう!と元気よく誘った。



そのとき、上の階に人影が見えた。



「…拓真、3人で帰ろう」

「3人…?」


悠真の口からでた3人という言葉に首をかしげた拓真よ目線は、たった今降りてきた玲菜に向かった。


無表情の玲菜とパチリと目が合うと、拓真は驚きに目を見開いた。



「…んで、…」


「…拓真、?」



みるみるうちに悲痛な顔へと表情を変えた拓真。



「なんで!!なんでお前は俺から…!!にーちゃんまで!なんで…、お前なんか…、」


支離滅裂な文章が、拓真の口からはきだされる。


「拓真!!!」


これ以上はダメだと思った悠真が拓真の名前を呼ぶが、勢いにのってしまった拓真はもう、口を閉じることができなかった。
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