そばにいたい。




「うん、少しチクッとするよ~」


「っ、」


「ごめんね、」

針を刺される痛みに少し顔を歪めた私を見ていたのか、医者は困ったように目尻を下げて笑う。


「だ、いじょうぶ、です…、ごめん、なさい」


私がそう言うと、その人はすごく優しい顔をして、私の頭を撫でた。
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