そばにいたい。




なれない暖かさが自分の頭の上にあるのを感じて、少し戸惑った。


「…さて、玲菜ちゃん、僕は立川春樹―タチカワ ハルキ―といいます。君の主治医になります、よろしくね」


「主治医…、」



これからもここに通う、ということだろうか。


そうならば、お金がかかるのではないだろうか、


――――『あんたの為に出すお金はこれっぽっちもないんだから、治療費も入院費もださないよ』――――


一番最初に私を捨てた―血の繋がりのある―人たちに言われた言葉が頭のなかに浮かぶ。



「あ、主治医っていうのはね、玲菜ちゃんと一緒に、玲菜ちゃんの病気を…、玲菜ちゃん?」


「…だいじょうぶ、!わたし、ひとりでもだいじょうぶ!くるしくないし、いたくない…!だから、…!」


「玲菜ちゃん…、」
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