そばにいたい。






「悠莉ちゃん??」

「…」


朔のといかけにも答えられない私。


そのとき、うつむいている私の前に器が見えた


「悠莉ちゃん、大丈夫。ほら」


優しく声をかけてくれる。


背中にまわった手に促されるように戻した。


「う、ぇ…ぐす…」

「全部出しな。陸、ナースコール」

「分かった」


朔に優しい声をかけられて全部はいてしまっても、吐き気はおさまらなかった。


「うぇ…ヒック、ぐす」

気持ち悪くて、気持ち悪くて、涙が出てくる。


ガラガラ

「悠莉ちゃん、注射うつねー。これで大分おさまると思うから」

先生が入ってきて、私に呼びかける。


…注射…??

や、だ…


先生の手が私の手をつかむ。


「い、や…」

「悠莉ちゃん、ほら、こっちむいて」

朔が私を促す。


朔の方を見た瞬間、


チクッ


「い、たい…さ、く…」

「どーした??大丈夫だよ」


おもわず朔を呼んだ私に、大丈夫といった朔。

それがすごく安心したんだ。


そしてそのまま…疲れてしまったのかねてしまっていた。
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