そばにいたい。
「玲菜!!」
「りゅ、う…」
先生が注射をうち終わったとき、入ってきたのは、龍。
龍が入ってきたのをみた玲菜ちゃんは両手を上げた。
まるで、抱っこしてと言ってるみたいに。
龍は一瞬、目を見開き、そして、直ぐに優しい顔になり、玲菜ちゃんに近づいた。
「どうした??玲菜」
そしてそのままぎゅっと抱きしめた。
こんな龍見たことねーよ。
こんな、女のために必死になってる姿。
「ん??玲菜??」
「りゅ…は、き、そぅ…」
!!やっと言った。
ずっと我慢していたんだろう。
龍が容器を差し出して背中をさすってやると激しく戻し始めた。
「ぅ…ゴホッ、ケホケホ…ハァ、ぅ…」
何もいわず黙って背中をさすってあげる龍。
「玲菜ちゃん、大丈夫だよ。ほら、落ち着いて」
しばらくして、はかなくなったものの、激しく咳き込み始める玲菜ちゃん。
喘息か…??
先生は必死に落ち着かせようと頑張っている。
「ケホケホッ、ハァ…ゼェゼェゴホッ…」
それでも全然落ち着かなくて、本当に大丈夫なのかと思ったとき、龍が抱きしめトントンと背中をたたきはじめた。
「ほら、玲菜、深呼吸は??」
「コホッ、すぅ、ゴホッゴホッ…はぁ」
声をかけながら一緒に呼吸を整えてやる龍。
玲菜ちゃんも少しずつ深呼吸をし始めた。