そばにいたい。





ふと窓の外を見ると、桜が咲いていた。

あれ、桜ってもう遅いんじゃないのかな??


「どうした??」

私が考えていると瑠衣が不思議そうに見ながら問いかけてきた。


「桜…咲いてるなって」

「桜??」

ほら。と指をさし、説明する


「マジだ。桜ってまだ咲いてるんだなー」

いつのまにか陸まで見ていたらしい。


「そー、コホッだね」

「玲菜、咳出てる。横になれ」

少し咳をしただけなのに、すぐに反応する龍。


「だいじょ…コホッ、ぶ…ケホッ」

大丈夫って言いたいのに。

「ほら、しんどいだろ??」

「だけど、せきっゴホッゴホッ…横になると、コホッつ、らい…から、」

「わかったから、もう喋んな。つらいだろ??」

どうしてそんなに優しいの…??
まだ会って2日だよ??

「ゴホッゴホッご、めん…」

「なんで謝んだよ」

思わず謝った私に瑠衣がゆう。


「ゴホッゴホッ、ハァハァ…ケホッ」

だけど、それどころじゃなかった。

「大丈夫か??」

龍が背中をさすってくれるけど、なかなかおさまらなかった。
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