そばにいたい。




咳をしながらも体温計を挟んで待った。


ピピッ

「なったな、何度だ??」

「えっと…ケホッ」

体温計を見ると39.0

こんなにあったんだ。


「…うそはだめだよ」

「っ…ゴホッゴホッさんじゅう、くど、ですコホッ」

図星で、少し詰まった私をチラリと見た先生。


「咳がしんどそうだね」

そう言ったあと、何かを考え込むように下を向くとまた顔をあげた。


「…風邪、かなぁー」

やっぱり。


「まぁ、安静にね。んー、咳止めだしとくから、のんでね」


「は、い、ゴホッゴホッ」

「よし、じゃぁ、点滴するねー」

そう言って先生は腕をつかんだ
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