へくせん・けっせる
それからは静かに講義を聞いていた。
私は、早く講義が終わって欲しいと思いながらノートのイチゴパフェにペンで色を塗っていた。
茜は私をチラリと見て、アホと一度だけ言ってきた。
何故だか、ムカつきはしなかった。
ただ、なんだか楽しかった。
早く講義が終われば良いのに。
時間を持て余すのもなんだか嫌だ。
だから、講義が終わるまでに。
このイチゴパフェに色を塗り終えよう。
それで、後で本物と見比べてみよう。
そんな風に考えながら、私は赤いペンを走らせていた。