Always不機嫌ダーリン


「ほら翔ちゃん、あーん」


「……」



あれ、翔ちゃん無表情。タコさんは悲しげな表情してますよー。


んー……あっ。卵焼きがいいのか!



「ごめんね卵焼きがいいよね!」


「は?」


「はい、卵焼き!あーんして下さーい」



タコさんを戻し卵焼きを掴んで、翔ちゃんの前に再度、持っていく。


翔ちゃんはハァーッ。と大きくて長ーい溜め息を吐くと、ガタンッとイスから立ち上がってしまった。



「翔ちゃん?卵焼きいらないの?」


「いらねーよ。お前が自分で食え」



首を傾げるあたしを見下ろして、そう言うとゴミを手に席から離れて行った。


あ~あ、行っちゃった…。



急に静かになった空間。

虚しく空いた向かいの席。

一人ポツンと座るあたし。



おぉ、タコさんウィンナーや、そんなつぶらな瞳で見ないでおくれ。




< 7 / 42 >

この作品をシェア

pagetop