Always不機嫌ダーリン
「ほら翔ちゃん、あーん」
「……」
あれ、翔ちゃん無表情。タコさんは悲しげな表情してますよー。
んー……あっ。卵焼きがいいのか!
「ごめんね卵焼きがいいよね!」
「は?」
「はい、卵焼き!あーんして下さーい」
タコさんを戻し卵焼きを掴んで、翔ちゃんの前に再度、持っていく。
翔ちゃんはハァーッ。と大きくて長ーい溜め息を吐くと、ガタンッとイスから立ち上がってしまった。
「翔ちゃん?卵焼きいらないの?」
「いらねーよ。お前が自分で食え」
首を傾げるあたしを見下ろして、そう言うとゴミを手に席から離れて行った。
あ~あ、行っちゃった…。
急に静かになった空間。
虚しく空いた向かいの席。
一人ポツンと座るあたし。
おぉ、タコさんウィンナーや、そんなつぶらな瞳で見ないでおくれ。