激甘な男
でも、あたしは目を丸くした。
「なんでいるの?」
「あ?お前こそ。どろぼー」
なんで、
「木部尚輝…がいんの」
「なんで俺の名前しってんの」
「ゆ、有名だもん!」
「俺はあんた知らん」
「あ、当たり前じゃん!」
「なんで当たり前なのに俺の事しってんの」
「あ、っと、あたし、東京山中学園の1年!」
「…………………」
「あ、荒川友紀菜!1年D組のっ」
「え…お前荒川友紀菜?」
「あ、うん…」
あたしの事しってんのかな。
「初めてみた。」
ガクッ
「はいはい!そうだよね…」
「…………でも、名前知ってる」
そういう彼の顔は、とってもカッコよくて、
まるで太陽だった。