遅すぎた,I Love You【短編】


その頃私の将来の夢は、小学校の先生


だから…
地元の教育学部の音楽教育科を受けようと思って準備をしていたのに、


「あなたにはとても才能があるのよ?
ほら。この間公開レッスンでお世話になったトゥーシャ先生も“ユウキはとても音楽性の高い子だ。素晴らしい。”って仰ってくれたのよ?」


「でも…
私の夢は小学校の先生でピアニストじゃないし……」


「うん。わかるよ?
悠希ちゃんはそう言うだろうなと思ってた。
だけどね?専門的なことをいい環境といい教授陣のなかで学ぶことはとても大切よ?きっと今しか出来ないことだわ。」



間際になって先生はこんなコトを言い出した。







「悠希ちゃん。
あなたにはとても才能があるの。テクニックは少し足りない所もあるけれど、あなたの歌心は本当に素晴らしいわ。
先生はね?その才能を埋もれさせちゃいけないと思っているの。
少し考えてみてくれない?
お母様にも先生から話してみるから。」






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