死蜂
乾いた風が頬を撫でていく。

目の前に広がる光景は、日本で見るのとは何もかも違った。

海も、空も、島も、太陽も。

こんな素敵な夏を過ごせる事を、本当に夢みたいに思う。

白い砂を、踏み締めてみる。

そして、真っ直ぐに向けていた視線を、下げた。

こんな素敵な夏なのに、もう直視していられなかった。

肩を寄せ合い、仲睦まじく歩く二人の姿を…。

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