死蜂
「それにしても変わった蜂ね…優れた人しか刺さないなんて…蜂なのに選民思想でもあるのかしら?」

葵が言う。

「うん…パパに聞いた時は私もまだ子供だから理解できなかったけど…優れた人のDNAを嗅ぎ分ける能力でもあるんじゃないかしら?」

そんな事を大真面目な顔で言う美晴。

やや天然の気もあるのかもしれない。

「はいはい、それで大企業の社長令嬢の美晴ちゃんは、優秀なDNAの持ち主だから刺されちゃう訳だね」

またからかう恭平。

「そうじゃないってば!恭平君は意地悪だねっ」

美晴は彼の肩をパチンと叩いた。





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