死蜂
激痛に悶絶する葵の前に、一匹の蜂が巣から姿を現す。

体色こそ働き蜂と変わらないが、体長45ミリとやや大きい。

その大きな蜂は葵に近づくなり。

「うぎぃいぃぃぃいぃいぃっ!」

喉の辺りに深々と尾部の毒針を突き立てる!

驚くべきは針を突き立てるだけでなく。

「ぎぃっ?ぎひぃいいぃぎぎぎぎぃっ!」

そのまま胴部を、葵の皮膚の奥へとねじ込んでいく。

その大きな蜂…死蜂の女王蜂は、葵の体内に潜り込もうとしていた。

彼女の体内に寄生し、その肉体を葵に取って代わろうとしているのだ。

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