死蜂
嗚咽する美晴。

そんな彼女を抱き締める恭平。

彼らの目の前で。

「!」

地面に横たわっていた葵の体が、ピクリと動いた。

「……葵さん?」

小さく呟く恭平。

その声で、美晴も振り向く。

…微かに動く葵の指先。

その指先が、地面を引っ掻く。

続いて開いた眼に。

「!!」

恭平達は驚愕する。

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