死蜂
「走れっ!走れっっ!」

美晴の手を引く恭平を先頭に、仲間達は林の中を走る。

だが、何せ灯り一つない真夜中の林の中だ。

頼りない懐中電灯だけでは、足元さえ照らせない。

加えて木々の根が張った走りにくい地形。

次々と、仲間達が足を取られて転倒する。

そして倒れた者から順番に。

「ひぎぃいぃぃぃっ!」

「い゛やぁぁあぁぁ゛あ゛あ゛ぁ゛あっ!」

「うぎっ!ぎぎぎぎぎぎ!」

追いついてきた死蜂の毒針の餌食となる。

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