死蜂
白目を剥き、涎を垂らし、だらしなく舌をぶら下げ。

痙攣しながら呻き声を上げる仲間達。

「洋子!孝則君!秋絵!誠二君!七海!」

美晴が仲間達の名を呼ぶが、呼びかけに応じる者は誰一人としていない。

誰もが、5分も経たないうちに仰け反るような姿勢で上体を起こす。

見えない糸で吊り下げられたマリオネットのようだった。

ギクシャクとした動きで立ち上がり、一様に恭平と美晴を見る。

白濁した、生気のない眼で…。

< 46 / 71 >

この作品をシェア

pagetop