死蜂
Ⅵ
羽音。
引き摺るような足音。
どちらも戦慄させるには十分だった。
人間を屍に変える蜂が、その屍と化した人間が、恭平と美晴を追いかけてくる!
「どうしてっ!どうしてこんな事にっ!」
泣きじゃくりながら、今にも転びそうな足取りで走る美晴。
恭平は何も言わない。
その疑問に答えてやる事は出来ない。
恭平にだって分からない。
昼までは、さっきまでは、楽しい仲間内でのバカンスだった筈なのに!
引き摺るような足音。
どちらも戦慄させるには十分だった。
人間を屍に変える蜂が、その屍と化した人間が、恭平と美晴を追いかけてくる!
「どうしてっ!どうしてこんな事にっ!」
泣きじゃくりながら、今にも転びそうな足取りで走る美晴。
恭平は何も言わない。
その疑問に答えてやる事は出来ない。
恭平にだって分からない。
昼までは、さっきまでは、楽しい仲間内でのバカンスだった筈なのに!